たまに昔住んでいた家の夢を見ることがある。とりわけ子供の頃に家族と住んでいた家ではなく、一人暮らしをしていたアパートが多い。そんな夢を見て目覚めた時はとてもノスタルジックな気分になる。訪ねるまではいかなくとも今はどんな様子なのかなと想像したりする。
僕の中で一番思い入れのある家は、コンビで上京して23歳から8年間住んだボロアパート。上京した日は鮮明に覚えている。当時付き合っていた彼女のお母さんにこれでカーテンでも買いなさいと頂いた餞別を、東京に着いたその夜にフィリピンパブで豪遊して使い果たしてしまったのだ。今考えると若気の至りだとしてもよくそんなことができたものだ。もしその瞬間に戻れるならば、どうせスケベ面してキープしたであろう焼酎ボトルで若かりし自分をぶん殴ってやりたい。 ...